学生である俺の今までのクリスマスの過ごし方。
 いち、バイトをいれる。
 に、バイトをいれる。
 さん、バイトをいれる。
 よんは飛ばして、ご。
 ……バイトをいれる。

「バイトだらけじゃねえか」
「彼女いないとこんなもんだよ」
「痛いほど気持ちが判るから泣けるわ……」

 本当に切ない顔しないでくれよクロウ。泣いちゃうわマジで。

「ジャックや遊星は引っ張りだこだろうし俺らで仲良くパーティーしようかクロウ」
「おう、いくらでも付き合うぜ」
「ついでに冬の課題片付けようず!」
「良いぜ、どっちの家にする?」
「俺んちで!」

 判った、と頷くクロウに笑って返す俺。これでとりあえず今年のクリスマスは淋しい想いをせずに済みそうだ。
 気のおけない友達同士でぱーっと騒ぐのは、恋人同士よかずっと楽しいんだ! そうに決まってる! あともう1人ぐらいは道連れがいても良いんだけど。

「クロウがいて良かったわー。俺らは恋より友情に生きていこうな」
「おいおい無駄に格好いい言い回しにすんなよ! 逆に虚しくなるわ」
「ごめんー」

 つか道連れは何人でも良いんだけど。物理得意なブルーノあたりがいたら課題もはかどるんだけど。

「とりあえず、裏切って彼女とか作ってみろ。泣きながら祝うからな!」
「泣くなよ! てか祝うのかよ!」
「そりゃあ俺は友情を大事にするから祝うぜ」

 えっへんと胸をはってみせたら、クロウは笑いながら返してきた。

「安心しろって。せっかくお前と約束したのに、いきなり彼女つくったりしねーよ」

 つかそうそうできねーよ、とクロウは付け加えた。
 しかしこんなに良い奴がどうしてモテないのかはなはだ疑問である。
 女の子と男の「かっこいい」には差異があるんだろうな。
 クロウの格好良さは背丈を補って余りあるものがあんのに。
 不思議だ、本当に不思議だ。

「よっしゃ! 奮発してケーキ用意しとくかんな!」
「調達先は?」
「無論、バイト先!」

 馬鹿みたいな俺を決してバカにすることなく一緒に笑ってくれる大事な友人。
 やはり持つべきものは友達だと身に染みた帰り道だった。


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