本気で本当に大好きだったんですよ。
 あくどい笑顔も、タロットカードを翳して呟く様も、あんなに癖の強いLBXを巧みに操り戦う姿も。いいえ、きっとこれからも大好きです。ずっとずっと私はあなたのファンです。
 もう一歩でもあなたに踏み込めていたなら、もう少し違った世界が私にも待っていたのかもしれませんね。何時でも孤高の存在であるあなたに、踏み込もうなんて無茶な話かもですけれど。
 こんなに魂が揺さぶられるような時間を過ごせたのは、私にとって奇跡でした。
 何時の日かあなたが言ったように、私はもうすぐ本当に違う世界の人間になるんでしょうけれど、怖くありませんわ。
 あなたのお陰で少しばかり小狡くなって、たくさん幸せになりました。この思い出があれば、私は、十分に次の世界でもやっていけます。
 本当にお世話になりました。
 年下のあなたに随分ご迷惑をお掛けしました。
 情けないお姉さんでした、本当に。
 ごめんね。
 ああ、そろそろですわ。自分のことだもの、判ります。少しずつ暗くなってきましたわ。何もかもが遠ざかっていく、私を置いていく。やっぱり震えてしまいそう。
 でも大丈夫。これでこの気持ちも、思い出も、永遠になるんです。
 あなたは私のことをすっかり忘れてしまった方が良いですわ。私は勝手ながら、あなたのことを覚えたまま行かせてもらいます。大丈夫。もうご迷惑はお掛けしませんわ。私の胸を漂うこの言葉も、思いも、上手くくるんであなたには見えないようにします。だから安心してあなたは私を置いて、今までのように歩いて下さいな。
 そんな悲しそうな顔をして笑うのは、今でおしまいにして。何時もの不敵なあの笑みで、また進んでいって下さい。

「あんなに饒舌だったのが嘘みたいに大人しいじゃないか」

 何も返せない私に、一方的に彼は語る。その声音に含まれた想いは、あんまりにも優しくて私には勿体無いくらいで。でも一緒に伝わる決心が、私にふわりと余裕を蘇らせてくれる。

「もうこれであんたと会うことも無いんだな」

 そう。これで良いんです。
 さようなら仙道くん。
 あなたは私にとって、最初で最後の衝撃。
 最期のひかりでした。

「――じゃあな」

 ええ、ごきげんよう。
 私の大切な、魔術師さん。

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