LBXに触れたのは最近、バトルをするようになったのはもっと最近。それでも日夜必死に技術向上に取り組むを、バンたちは応援していた。
そして、のレベルアップのため、バンたちは秘策を編み出した――!
「これからには、仙道とバトルしてもらう!」
「ひえー!」
「しかもただのバトルじゃない! 10分間耐久バトルだ!」
「ひええー!」
バンの宣言に、は色気もへったくれもない情けない悲鳴を上げた。
頽れ、地に手をつき、ショックのあまりぶんぶんと首を振りながら叫ぶ。
「無理ですわ! わたくしが何て呼ばれてるか知ってます、バンくん!? なんと“逆秒殺の女帝”ですわよ!?」
「いつの間にそんなアダ名が……」
半泣きのに、カズヤがいたたまれないといった様子で呟く。
四つん這いのような体勢のまま、沈んだ声では返す。
「あんまり弱くて相手にならないからって……わたくし、弱さではミソラ1になってしまったようですの……」
恐らくジンのアダ名を誰かがもじってつけたのだろうが、あまりに可哀想だ。「あんまりじゃないか……」ジンも聞いていて悲しくなったようで、を見つめる眼差しが揺らいでいる。
対戦相手に指名された仙道はというと……。
「10分間をいたぶれば良いわけだな」
アダ名などに興味はなく、恐ろしいほどバトルに関してノリノリであった。まごうことなきサディストの血が、彼の中で騒いでいる。
「わ、私、いたぶられるの?」
「、何か嬉しそうだけど……」
「そんなことありませんわアミちゃん! か、考えただけでも恐ろしいですわ!」
アミの指摘に我に返ったが、仙道を見つめる。バトルへの不安や期待が綯交ぜとなったの姿に、仙道が何故か笑みを深くする。「ひゃー!」が赤くなって黄色い声を上げた。
なんでだ。
声には出さずにツッコミを入れる周囲。
舞い上がるに、バンが「!」と厳しく呼び掛ける。
「これはのスキルアップのための特訓なんだ。仙道には全力でやってもらうから、は10分間耐えるんだよ? 倒せそうなら仙道を倒してもいいから」
「倒せませんわ! レベル100の魔王にレベル概念すらない村人が特攻するようなものですわ!」
「じゃあ、せめて勇者レベル1になれるように頑張るんだ!」
励ますバンと励まされる。
黙々とバトルの準備を進める仙道。
の荒療治に向け着々と進行している。
(でも10分もバトルを維持できる技術と気力がにあるかしら?)
心配になったアミが、ふと郷田を見た。
郷田も同じことを案じているのか、心配そうにを見ている。
……アミは閃いた。
「流石に仙道と一対一は大変でしょうし、郷田がのサポートに入るっていうのはどう?」
「それ良いかもな!」
アミの提案にカズヤが笑顔で頷く。
熱い掛け合いを続けていたバンとの耳にも届いたようだ。ふたりは顔を見合わせ、どちらからともなく「そうしよう」と頷く。
郷田もその案を快諾してくれた。
「よっしゃ、。一緒に頑張ろうぜ」
「は、はい!」
仲良さげにと郷田が笑いあっている。それを見つめる仙道の顔が少しばかり不機嫌そうに歪んだのをアミは見た。
――仙道ったら、をとられたみたいに拗ねてるわね。
だがこれで両者ともに気合い十分となっただろう。
と郷田組、仙道は、Dキューブを挟んで相対した。
「よろしくお願い致しますわ、郷田くん。仙道くん」
「楽しもうぜ、」
「……お前らで相手になるかどうか」
「何だと!」
「独り言さ。いちいち噛みつくんじゃないよ」
早速いつもの調子で郷田と仙道が喧嘩を始める。挟まれたは不安そうな顔で二人を見やった。
頑張れ……。そう心で呟きながら、バンが叫ぶ。
「レギュレーションはストリート。つまり一回でもやられたら復帰できない」
「判りましたわ、バンくん。わたくし10分間凌いでレベルアップ目指しますわ!」
「その意気だぜ、!」
カズヤの声援も受け、ますますは意気込んだ。
そんなの姿に、ジンもフッと笑みをこぼす。
アミもに「集中よ」と励ましの声を送る。
と郷田、仙道の準備が整ったところを見て、バンが叫んだ。
「じゃあ……バトルスタート!」
LBXを愛する少年少女たちは、今日も時間を忘れてLBXバトルに没頭する。
この時間が彼らの絆と力を、より一層深くさせていくのだろう――。
ちなみに、バンたちが集うたび行われるようになったの特訓・10分間耐久バトルの努力が実を結ぶまでは、そこそこの時間を要することになるのであった……。
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