▼ミョルゾ~バクティオン神殿

の義眼2】
リタ「うーん……」
「どう?」
リタ「駄目ね……。ごめん、折角調べさせてもらったのに」
「ううん。気になることがあったらまた遠慮なく言って」
リタ「ありがと」
「じゃ、また後でね」
ユーリ「……何してたんだ?」
リタ「の魔導器を調べてたの。の力に干渉してるなら、いろいろと役に立つ情報があるかもって」
ユーリ「ベリウスが役に立つって言ってたのは、の力自体じゃなかったか?」
リタ「だけど、の力と魔導器は間違いなく呼応しあってる。きっとあの魔導器の技師は、の力を理解してたんだわ。そいつに話が聞けたらって思うけど……」
ユーリ「どこにいるかもわからねぇ技師探すのはリスクが高いな」
リタ「その通り。でも相変わらず暗号が解けない。前より複雑化してる気がするの……術式が変わるなんて、そんなはずないのに」
ユーリ「……謎は深まるばかり、か」

【引っかかる2】
「レイヴンさん、具合悪くないですか?」
レイヴン「悪そうに見える? ご覧のとーりピンピンよ♪」
ジュディス「ふふ、元気そうね」
パティ「元気なのは何よりなのじゃ」
「うん、そうだね……。何かあったら言ってくださいね、レイヴンさん。年長者って気苦労耐えないでしょうし……」
レイヴン「なんと優しいお気遣い! その言葉だけで俺様、癒されちゃう」
「ならいいんですけど」
ジュディス「の方が元気なくて具合悪そうよ?」
「そんなことないよ! なんか、モヤッとするだけで……」
パティ「無理はするななのじゃ」
「うん。……ありがとう」

【古の碑文vs移り変わる時代】
「太古の災い……。星喰み……」
リタ「あんたのこと、壁画には無かったわね」
「そこは残念だけど、今はエステルのことだよ」
カロル「、気合い入ってるね」
「碑文がなんのそのだよ。時代は移り変わるし、今なら違う方法が見つかるかもしれない」
ジュディス「その通りだわ」
「昔の人や碑文に負けるもんか。絶対に公式を見つけて、フェローにも納得してもらわなきゃ!」
カロル「うん! ボクたちが……〈凛々の明星〉が協力しあえば、きっと出来る!」
ジュディス「全力で手伝うわ」
リタ「あたしも天才魔導士の名に懸けて、やってみせるわよ!」

はどこ?】
カロル「、どこ行っちゃったんだろう……」
フレン「僕たちより先に目を覚まして、エステリーゼ様を助けに行ったのかもしれない」
ラピード「ワンッ!」
ユーリ「だな。あいつなかなかタフだしな」
ジュディス「おまけに猪突猛進なところがあるわね」
ラピード「クーン……」
ユーリ「ラピードが心配するなんて相当だぜ。ったく……」
ジュディス「置いてくなんて酷いわ。早くを追いかけましょ」
カロル「うん! エステルを助けたいのは皆同じなんだって、文句つけなくちゃ!」
ラピード「バウッ!」

の歌】
パティ「こんな時になんじゃが、の歌が恋しいのう。不思議なのじゃ」
ラピード「ワンッ!」
パティ「ラピードもかの? なんと言うか、の歌には不思議な力がある気がするのじゃ」
ラピード「ワフッ」
パティ「あの墓でが歌ってくれたとき、うちはあたたかいものにくるまれているような、ふわふわな気分がしたのじゃ。の狭間の者とかいう力が、そうさせるのかのぅ」
ラピード「クーン……?」
パティ「でもうちは、あれはの優しさそのもののお陰だと思うのじゃ。と合流して、アレクセイを倒して、エステルを助けたら、今度は一緒に歌いたいの」
ラピード「ワンワンッ!!」

【狭間に揺れる者】
「皆、きっと怒ってるだろな……。置いてきちゃったこと。でも、今の私じゃ……皆から離れた方がいい」
「……また騎士と魔物がいっぱいいる。けど、関係ない。全部倒せば良いだけ……。待っててエステル。今、助けに行くから……でも」
「こんな私を見たら……驚かせちゃうかな」


▼ヘラクレス内部~ザーフィアス城内

【狭間の者の力】
リタ「狭間の者の力が、まさか自身の姿まで変えるものだったなんて……」
「私が怖い?」
リタ「んな訳ないでしょ。変身してもぼやっとしたいつも通りの顔だし」
「ぼ、ぼやっとした……」
リタ「それにあんた、カルボクラムでエステルがエアルに酔った時のこと覚えてる?」
「え?」
リタ「あんたがエステルに触れてね、術式が浮かんだの。その後エステルは“調子が良くなった”って言ってた」
カロル「もしかしてそれ、が力を使ってたってこと?」
リタ「だと思う。エアルに過敏になってるエステルをが癒したんじゃないかしら。あくまで仮説だけど」
ユーリ「ってことは、は随分前に既にエステルを助けてたってことか。自分の力で」
カロル「そっか……。そうだね! ベリウスが言ってた通り、の力はエステルを助けられるんだよ!」
「なんだろう、すごく安心したよ。……すぐ助けるからね、エステル」
ユーリ「おまえだけじゃなく、オレら全員で、な」
「うん!」

【勝手ですから!】
「こんなもの作るなんて職権乱用だよね。アレクセイをぶっ飛ばす理由がまた一つ増えた」
ジュディス「すごい意気込みね」
パティ「うちらも負けてはおれんのじゃ!」
レイヴン「おっさんも年寄りなりに精一杯尽力させていただくわ」
「引き締めていきましょうね、レイヴンさん! もう“殺っちゃってくれ”なんて言わせませんから!」
レイヴン「あー、地味に怒ってる? てか根に持ってる? ちゃん?」
「……助けようとして突っ込んでいったのは私の身勝手ですから」
フレン「否定はしないんだね……」
レイヴン「とほほ……」

【ラピードは気づいていた】
ラピード「ワンワンッ」
「ラピードさんは私の変化に気付いてたんですか……」
ユーリ「バクティオン神殿でが先に行っちまった時に何となく察してはいた、か。不思議なもんだな」
ラピード「ワフッ」
ユーリ「そのうえであの時“の心配はしなくても大丈夫だ”って言ったと。随分と見込まれてんじゃねえか

「何か嬉しいな……」
ラピード「バウッ!!」
ユーリ「一人で先走ったことに関しては無謀だって怒ってんぞ。オレも同意」
「す、すいませんでした!!」
ラピード「ワン!」
ユーリ「わかれば良し!」

【今思えば…】
「んー……」
ユーリ「どうした、?」
「うん、今思うとさ……レイヴンさんがトリム港で私に声を掛けてくれたのは偶然じゃなかったんだろうなあって」
ユーリ「ああ、そういやそんな時もあったっけな」
「あとさ、たまにレイヴンさん見てると懐かしくなったりしたんだよね。忘れてた記憶がそう感じさせてたのかな」
ユーリ「随分とおっさんに思い入れあるっぽいしな、おまえ」
「へへ、ちょうど心細かった時に会った人だから」
レイヴン「うーむ、その気持ちは有難いんだどもねー」
「レ、レイヴンさん?」
レイヴン「何度言われても俺様、昔、どうしてちゃんに懐いてもらってたのかピンと来ないのよー。今思えば、ちゃん的につまりどういうことだったの?」
「そ、それは……内緒です!」
ユーリ「親戚のおっさんと姪みたいなもんか?」
「そ、そういうことにしておいてください! なにぶん、子供でしたから自分!」
レイヴン「ははは、じゃあ、そういうことにしとくわ」

【幻覚? それとも…】
ユーリ「ったくおまえの無茶っぷりには肝潰しかけたぜ」
「潰れてなくて良かったよ、うん」
ユーリ「おかげでこちとら、森ん中でおまえの幻聴まで聞いちまった。新手の呪いかと思ったわ」
「森の中? ……もしかして、クオイの森?」
ユーリ「ん? 何で判ったんだ?」
「……え? あ、ほら! も、森なんてあそこぐらいしか思いつかなくて! 聞いた道順だと、ユーリたちが帝都に来るにはそうしなきゃだったんでしょ?」
ユーリ「まあ、な。……そういやオレ、よくあのタイミングで起きれたな……」
「そ、そうだカロル! 体は大丈夫? あんな巨大獣級の魔物と一人で打ち合ったんだし、熱も酷かったでしょ?」
カロル「え? ボク、にバイトジョーのこと話したっけ?」
「あれ? ……あれ? ご、ごめん。夢の出来事とぐっちゃぐちゃになってるかも、私……」
カロル「……もしかしてってまだ不思議な力があるの?」
ユーリ「変身だけで十分だろ……気にしたら負けだ」
「あ、あははは……」

【エアルもなんのその】
パティ「再会できるとは思っとったが、エアルの荒波を泳ぎ切ってここまで来てるとは思わんかったのじゃ」
リタ「明らかに体質に救われてるわね。宙の戒典も無しにあのエアルの嵐を生き抜くなんて、普通だったら無理よ」
ジュディス「無事で何よりだわ、
レイヴン「吹き飛ばされちゃったおっさんたちより元気なんでないの?」
「かもしれないです」
リタ「変身を解けないのも、潜在術式がこの事態を察してのことでしょうね。エアルが乱れに乱れてるし」
ジュディス「の力は、始祖の隷長譲りっていう話よね? 過剰なエアルに晒されて本当に平気だったの?」
レイヴン「平気じゃなきゃとっくに問題起きてるはずよ。寧ろ膨大な量のエアルの負荷を上手くこなすのがちゃんの十八番っぽいところあるしねぇ」
リタ「確かにそうだけど、おっさんやけに的を射てるわね」
レイヴン「まあ、なまじっか付き合い長いんでね。ある意味」
パティ「おお、意味深じゃのー」
「宙の戒典と私の力で、エアルもなんのそのだよー」
リタ「宙の戒典はともかく、あんた自分の力を過信しすぎないようにしなさいよ」

【こんな姿でもエステルなら】
ユーリ「こうして見るとでけぇな、おまえ」
「うん? そう言えば……そこそこ大きいかも」
ラピード「ワウッ、ワンッ!」
「そ、そうだ! エステルには私の記憶や姿のこと話してないから、驚いちゃいますよね。助けた途端に気絶でもさせてしまったら……」
ユーリ「あのお姫様のこった、むしろ喜び勇んで抱き着いてきそうだぜ?」
「かなぁ……。喜んでくれるかなぁ……」
ラピード「ワンワンッ!」
ユーリ「絶対にはしゃぐだろう、か。ラピードに同意だ。第一、エステルは、姿が変わろうがおまえはおまえだって笑うに違いねぇ」
「……そうだね。エステル助けて、癒してあげなきゃ。力の使い方も判って来たし、今度こそ救わなきゃ。何より、早くエステルに会いたいもの!!」
ユーリ「ああ。全力でとっとと連れ戻してやろうぜ」

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