は少しばかり悪戯心を持ってしまった。
そして、今日作った唐揚げに、ほんの少しスパイスを効かせた。いや……効かせ過ぎた。
つんとくる香りには思わず満面の笑みを咲かせる。
「チップとアンサー、どんな顔するかなぁ」
るんるんと鼻歌交じりに食卓を用意したの元に、いつものようにチップとアンサーがやって来る。
いつもより機嫌の良さそうなを見て、アンサーは微笑ましそうにする。よほど今日の料理は自信があるのだろう。もしくは楽しみにしていたのだろう。もしくは、もしくは……。ともかく悪いことは無いだろう。そう信じて。
しかし、チップは食卓の中央に鎮座する唐揚げを見て、すぐに眉を顰めた。
「、何だソレ」
「え? 何が?」
「とぼけるんなら良いけどよ」
席につくと三人揃って「いただきます」と手を合わせる。
はチップの警戒を解くためにも、自ら例の唐揚げへと箸を伸ばす。それをチップはじっと見つめている。そして何の警戒心もないアンサーもまた、唐揚げへと箸を伸ばした。そして……口へと運ぶ。
一口齧ってアンサーの顔色が変わった。
「っぐっうううううっ!! うはぁっ!?」
雄叫び。見事な雄叫びだった。それでも箸を投げ出したりはせずに耐えているのが彼らしかった。
齧った分を飲み込んで、うぐ、と呻きながら、時に、ぐうっ! と叫びながら、アンサーは唐揚げであろうものの衝撃に耐えていた。ちなみにこの間は唐揚げを食べていない。アンサーの反応を見て大笑いし、涙を堪えている。
ふるふると震えながら食べかけの唐揚げを茶碗に置き、箸を置き、アンサーは声を絞り出す。
「……これは……一体……なんですかっ」
「激辛唐揚げなの! 安心して、半分は普通の唐揚げだから!」
「おお、なら安心だぜ」
聞いたチップは皿の下に隠されていた無事な唐揚げをひょいと口に運ぶ。「美味えわ」とにっこり笑顔つきだ。
激辛唐揚げを引いたアンサーに、は牛乳を差し出しながら言う。
「辛いけど美味しいでしょ?」
「いや、旨味を感じる余裕が全くない」
その間もチップは唐揚げを頬張っている。
おかしいなあ、とは先ほど取った唐揚げを食べてみた。……その顔が一気に真っ赤になる。
「うばばばばばば、試作段階より染み込んでしまっている……!」
「たたた、食べ物で遊ぶんじゃありませんよ……」
「ちょっとした出来心だよぉうぐぅぁぁぁあああ……!」
「お前ら、ふざけてると全部食っちまうぞ~」
チップは二人が悶絶している間に悠々と食事を続けている。
それを聞いてアンサーがハッとした。
「それだけはご勘弁を! 私だってちゃんとしたものが食べたい!」
「これだってちゃんとした唐揚げだよ……っぐう」
「作った本人がダメージ受けてるものをちゃんとした料理とは言いません!」
結局、作った責任だとは激辛唐揚げを食べることにした。
しかし、が泣きながら食べているのを見ていられず、結局チップとアンサーも激辛唐揚げの処理を手伝ったのだった。
「お前、これに懲りたらもう作るんじゃねえぞ……」
「うん、しばらく止める……」
「ずっと、でお願いします……」
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