は小さい。小さいから、色々と不便だ。
 まず声が聞きにくい。と話すときは、耳を傾けるために少し屈むことがある。頭一つ分以上違うと、声の届きやすさが違うのだ。
 それから歩くスピード。俺やアンサーが歩いていると、は小走りでついてくる。がいる時は、俺たちは必然的にゆっくり歩を進めることになる。
 食べる量も違うし、必要な休息も違うし、何から何まで小さいは色々と不便そうだ。

「燃費悪ぃよな、小せえと」
「そうでもないよ」

 むくれながらが言った。

「いざって時は運んでもらえるから結構サクサクだよ」
「いや、それ燃費と関係ねえだろ。てか悪さ露呈してるよな?」
「ううーん……そうかもしれない」

 体が小さい割に気はそれほど小さくねえから、堂々と俺らに担いでもらえるとか言えるんだろうな。いやまあ、担ぐけどよ? 運ぶけどよ? それが当然となりつつあるけどよ?
 お前はそれで良いのか? 本当に良いのか?

「でも、小さいのは小さいので小回りが利くから便利だよ」

 確かにすばしっこくてちょこまかと動くけどよ。体力がすぐに尽きるじゃねえか。「他になんかこう、ねえのか」思わず問うと、は黙り込んでしまった。便利だとか言う割に自分の体格の利点が思いつかないらしい。死角に入りやすいとか、素早さを生かせば相手の懐に潜り込みやすいとか、色々考えればありそうなもんだけどなァ。
 の良いところは、つまりそういうところじゃねえってことでもある。
 料理が美味い。手先が器用。見ていて面白い。……こういうところだ。
 俺やアンサーとは得意分野が全く違うわけだ。

「悪かったよ。オマエにゃオマエの良さがある。だから一緒にいる」
「ありがと~チップ! なんか分かんないけど褒められた」

 能天気なところも、の良いところだ。
 小さくて不便なところは、俺やアンサーがまかなってやればいいんだ。
 逆に俺たちが気づかないところをは気付いてくれる。……多分。

「でこぼこトリオでこれからも頑張ろうねぇ」

 凸と凹が上手くはまってるんだろうな、俺たちは。

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